「たなかふぁーむ」は田中さんご夫妻で営まれている農家さん。にんにくは完全無農薬、有機栽培が非常に難しく、収穫量の少なさから取り組む農家さんはそう多くありません。農薬や化学肥料に頼らない有機栽培への始まりは、ご自身の経験に寄るところが大きいということです。
そもそも田中さんはいちじくを育てていた父親の手伝いから農業へ携わるようになりました。当初は他の農家さんと同じように、農薬や化学肥料を使った農作物の栽培を行っていました。農薬に対して意識するようになったきっかけが、このいちじくということ。
いつも通りに、いちじくの樹へ農薬を撒いていた田中さんですが、自分でも知らないうちにその液体の跳ね返りを浴びていたそうで、日を追うごとに体調不良に陥ります。ここで、農薬に対して体に良くないものなんだと改めて意識するようになり、試しにいちじくへの農薬散布を止めてみました。すると、農薬を撒かずとも、より多くのいちじくの収穫が得られました。
田中さんの中では、「きちんと管理を行えば、農薬を使わなくても大丈夫なのかな」と思う気持ちが大きくなり、農薬を使わない栽培を試みるきっかけとなりました。