あか牛の魅力
黒毛和牛が霜降の美味しさを楽しむように、あか牛は赤身の美味しさを一番味わえる和牛だと言えます。あか牛はタウリンが豊富に含まれており、熊本を始めとして高知や北海道での生産が盛んです。今でこそヘルシーな健康和牛として注目されていますが、数年前までは、黒毛和牛が主流で赤身の多い「あか牛」は人気がなく、見放された牛だったといいます。しかし、ここ熊本ではあか牛の放牧が昔から根付いており、とても身近な親しみのある牛でした。
和牛の種類と飼養頭数
種類 |
特徴 |
褐色和種 |
熊本と高地を主産地とし、改良の歴史、外見や特性等、それぞれに独自のものを持っています。熊本系は北海道や長崎等でも飼養されています。
|
日本短角種 |
在来の南部牛にショートホーン種を交配して改良した品種。毛色は赤茶色。青森や秋田、岩手等東北・北海道地方で飼養されています。 |
無角和種 |
在来種の黒毛和種にスコットランド原産のアバディーン・アンガスをを交配した品種で山口県で飼養されています。
|
黒毛和種 |
中国地方の在来種に外国種のブラウンスイス、デボンなどを交配して改良した品種で、現在では全国に分布し、肉用和牛の94%を占める
|
資料:(社)家畜改良事業団
(社)中央畜産会「家畜改良関係資料」
日本国内の消費牛肉の内訳
資料:農林水産省「食肉流通統計」
財務省「貿易統計」
・近年の人気に伴い、あか牛の絶対頭数が少ないため、頭数を増やすことも難しく、近年価格は高騰しています。
あか牛を守るために
熊本の草原の維持にはあか牛の存在が欠かせません。彼らが大地を踏みしめ、草をきれいに食べ、また、彼らの冬場の飼料として採草が行われるからこそ、草原が維持されています。草原を維持・再生するためには、放牧されている牛の数を増やすのが最もシンプルな方法なのです。草原を守るためには「あか牛」の数を増やしていかなければならなりません。草原を守るために、引いては「あか牛」自体を守っていくためにも、あか牛を取り扱うことの重要性は非常に高かったのです。そんな中、“矢野畜産”では地元の生産者と協力して「あか牛」の取扱いをはじめました。
美味しいハンバーグを追い求めて
“矢野畜産”ではハンバーグに対してかれこれ50年以上前から変わらないこだわりをもって製造しています。
美味しいハンバーグへのこだわり
添加物不使用
原材料は99%が国産
手ごねで成形
まず、素材へのこだわりとして、添加物不使用であることを貫き、尚且つ原材料の99%を国産のものを使用しています。
50年以上前からの取り組みですから玉ねぎや卵も手でカット、割ってつくっていた時代もあったということ。そのくらい人の手で作り上げることにこだわりを持って取り組んでこられた歴史があります。更には、焼割れそを防ぎ、ハンバーグの旨味を逃がさないように、スタッフが愛情を込めて必ず手ごねで成形します。
機械での製造も可能な中、人の手を使って空気をいれるというところに大変強いこだわりがあります。歴史あるハンバーグづくりを駆使して、あか牛でのハンバーグの製造を開始されました。和牛「あか牛」は余分な脂肪が無く和牛本来の旨みを味わえる牛肉です。手作りハンバーグではあえて、100%牛肉を使用せず、ハンバーグとしての旨みを最大限に活かせる
牛8:豚2の黄金比率で製造しています。
あか牛の飼育へのこだわり
枝肉の格付けは歩留等級と肉質等級で表示が決まります
肉質等級
■脂肪交雑の等級区分(B.M.S)
等級 |
B.M.S |
5 |
かなり良いもの |
No.8〜No.12 |
4 |
やや良いもの |
No.5〜No.7 |
3 |
標準のもの |
No.3〜No.4 |
2 |
標準に準ずるもの |
No.2 |
1 |
劣るもの |
No.1 |
歩留等級
■歩留等級の区別
等級 |
歩留 |
A |
部分肉歩留が標準より良いもの |
B |
部分肉歩留が標準のもの |
C |
部分肉歩留が標準より劣るもの |
“矢野畜産”では飼育する「あか牛」についても強いこだわりを持っています。今回は提携されている「竹内牧場」さんにお話を伺いました。熊本県菊池群菊陽町の「竹内牧場」は約230頭を保有し、A5ランクの12番を出すほどの牧場です。
現在は2代目と3代目とになる竹内親子で約60年続くこの牧場を守っています。
「竹内牧場」で育てる「あか牛」についてはモネンシン入りの飼料を使用しない方法で育てています。モネンシンとは牛の個体差を埋めるため牛の増体性、飼料利用効率の向上を目的として抗生物質であるモネンシンナトリウムを配合した飼料に添加されるのもです。そのモネンシンナトリウムを使わず、あか牛を大きく育てていくのはとても大変なことで、あか牛が「食い止まり」をしないように調整を行いながら、よく牧草を食べる牛に仕上げることが大事になってきます。「竹内牧場」ではその調整を行いながら日々、熊本の「あか牛」を育てているのです。
矢野畜産とあか牛
“矢野畜産”では、今後も熊本の草原を守り、そこに生きる「あか牛」を守り、更には生産者を守り続けていく。その歩みを止めないことがこの上なく難しく、大事なことだとおっしゃってありました。
この取り組みの大切さを私達も受け止め、応援していきたいと感じました。
矢野畜産のこだわり
草原を守る
熊本名産の「あか牛」を守る
生産者を守る